この曲を聞くと、社会に出たばかりの頃の事を思い出します。
初めて入社した会社はアパレルで、東京コレクションへも参加している会社でした。
当時、東京コレクションといっても、知名度のある会社は“代々木テント”と呼ばれる代々木に特設で作られた大きな会場でコレクションを発表していました。
ここでの発表でなければ“東コレ参加”とは言えなかったんです。
入社前、秋冬コレクションの際に、私が通う学校の、入社が決まっている生徒のみ、コレクションに招待してもらえました。
東コレは、私がいた会社と、もう一社某デザイナーのコレクションを見に連れて行ってもらえたのですが、私が入社予定の会社には、本当に可愛いモデルさんが起用されていました。
私も入社したら彼女に会えるかも?!と本当に楽しみにしていました。
そして入社数週間後が初の東コレでした。
残念ながら、大好きなモデルさんは前シーズンを最後に、東コレには参加しなくなってしまっていました。
元々パリコレでも活躍していたモデルさんだったんです。
ただこの時、日本人モデルとしては凄く有名な秀華(たしかこの字だったと思うのですが…)がいたと思います。
残念ながら、私は企画部入社だったため、楽はさせてもらえないという事で、でも新人だったので、同期入社の女の子と一緒に日本語の通じないモデルさんの担当になったと記憶しております。
本当にあっという間の経験でした。
7時頃に帰れたのは入社して初日かそこらだけ、後は連日終電間際か終電過ぎでした。
深夜にタクシー、最初の日は本当に拾う事が出来ず、2時間近くかかりました。
当時はまだ深夜のタクシー帰りのOLやサラリーマンは少なくなかったんです。
会社は六本木の近くにあり、当時は週末は勿論、平日でも酔っ払ったサラリーマンやOLが毎晩いました
ちなみに私が初めてきらせてもらった企画書は、この時のマリエ(つまりはラストを飾るウェディング・ドレス)でした。
この時の音楽はスローな感じの少し暗めの、でもとても綺麗な曲が多く採用されていました。
「I'm not in love」はその中の一曲でした。
会社の同期、そしてほぼ同期(同じ頃入社)は11人ほどいました。
殆どが専門学校を出ての企画部や技術部でした。
そして普通に高校を出て、地方から出てきて転職という男の子が営業部に入りました。
地方から出たてで、思い切りご出身地の色が出ていて面白い男の子でした。
当時から既に毒舌というか、きつい性格だった私は、気に入られるか嫌われるか、両極端でした。
その営業の男の子のうちの一人は私の事が怖かったそうです…私の方が年下だったのに…。
もう一人は私に仕事の事で話しかけて、はっきり物を言われ、いったん引き下がったようです(苦笑)
でも懲りなかったんですね~。
ある日私が営業の部屋に用事があって言った際に、仕事以外のことを話しかけてきました。
それが東コレの音楽についてでした。
音楽好きな私が乗ってこないはずはなかったんです。
それ以来、彼からよくCDを借りるようになりました。